フランス、スペイン、アンドラ公国を含む大西洋から地中海へと延びる山脈

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    少し時間が空いてしまった投稿になります。
    10月にスペイン政府観光局主催の商談会に参加してまいりました。その中にアラゴン州観光局のブースがありお邪魔させていただきましたが、素敵な出会いがありましたので紹介させていただきます。
    アラゴン州の情報を聞きにブース立ち寄ったのですが、相談担当のお二人が現地の旅行会社エン・デスティーノ社を運営されているお二人でした。もちろん最初はアラゴンのお話をお聞きしていましたが、後半カバンの中からお二人の著書を取り出されプレゼントしていただきました。
      その著書がこちらです。
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    出版されたのは2022年6月30日と新しく、これだけの情報が詰まったピレネーの本はまだ日本にはないので、今後ピレネーを訪れる人たちのバイブルになりそうな本です。
    私は10年以上前にフランス側からピレネーに初めて触れ、とても感動して、大好きな場所になりました。しかしそのピレネーを紹介しているウェブサイトもガイド本も非常に少なく、そのため日本人にはまだまだ未開の地でした。
    この本にはスペイン在住の著者が、スペインだけではなくフランス側も紹介してくれています。まさにピレネー山麓の見どころ、自然、文化、食、歴史など幅広く詳しく丁寧に紹介してくれています。この地域を旅しようとする人にはもちろんお勧めですが、この地域に行かなくても行った気持ちになれるのがこの本です。読んでいてピレネー愛をとても感じました。こんな素敵な本を出版してくれて感謝です。
    この機会に是非ご一読いただき、皆様にピレネーが近くなるよう願います。
      それでは2023年も終わろうとしています。皆様良いお年をお迎えください!
       今日もヨーロッパのハイキング・ルートについて書いてみたいと思います。まず最初は日帰りハイキング・ルートです。walkworldで特に得意にしている地域があります。オーストリア・チロルイタリア・ドロミテフランス&スペイン・ピレネーの3地域です。もちろんこの他にもスイス・アルプスシャモニー周辺イタリア・アオスタなどの地域も手配、ご案内させていただいてきておりますが、今回は特筆して3地域のハイキング・ルートを写真を多めに使用して既にブログにしたものをご紹介してゆきます。
       通常旅行会社ではヨーロッパ・ハイキングについてここまで詳しくフリーでご紹介することはなかったと思います。やはりそのような情報が私達の糧となってこのビジネスをさせていただいているからです。
       ただこのコロナ禍で過去に撮り貯めていた写真を眺めていると、これらがただ色褪せていくだけなのがもったいないなぁ、それにどこも大好きな場所だから、もっともっと多くの日本の人たちに見て、体験して頂けたらなぁなどと考えるようになりました。
       ヨーロッパのハイキング旅行の企画・手配は、これまでもずっと私のメインの仕事ですので、この記事をご覧になってご依頼いただければとても嬉しく思いますが、ご依頼いただけなくても興味を持っていただけるだけでも嬉しく思えるようになりました。
       これらの情報をもとにして私達の手配なくても個人旅行している方はたくさんいらっしゃいますので、その人たちは是非ご参考にしていただいたらと思います。(※旅行手配依頼なしの質問だけというのはご勘弁ください!参考はこの記事にとどめて下さい!)
       またそれでも私達に旅行手配のご依頼をいただけるのでしたら、私達がこれまで培った現地ネットワークも駆使して、さらに最新の詳しい情報などをご提供できるものと思います。
       いずれにしましても、これらの場所へご旅行していただいて、お楽しみいただけることが、私達が一番やりたいことだということです。
       それでは、紹介ページのリンクを箇条書きにしてゆきます。どのコースも何度でも歩きたくなるような素晴らしいルートです。


       またロングトレイルで利用いただける山小屋の詳細を記していますので、
        ▼ご参考にしてみてください。
       ヨーロッパの山小屋について
       ヨーロッパの山小屋について Part.2
       フレンチ・ピレネーの最大の見どころと言えばガヴァルニー圏谷です。ガヴァルニー村(1365m)からガヴァルニー圏谷手前のオテル・ド・シルク(1570m)/Hotel du Cirque de Gavarnieまでは約4㎞/1.5時間ほどの歩きやすく幅の広い遊歩道があり、多くの観光客が歩いています。道中ガヴァルニー滝の左上にマルボレ峰(3248m)/Pic de Marboreが望めます。この道を子供から大人まで馬に乗って楽に行けるサービスもあります。
       今回はもっと自然を感じてもらうために、遊歩道とは違う登山道を歩きます。村の西側にあるル・コンポステッレ・ホテル/Le COMPOSTELLE HÔTELの前を通り、その奥にある登山道から歩きだします。
       遊歩道を歩くよりも高低差はあるのですが、ガヴァルニー圏谷の絶景を左前方に眺められる素晴らしい場所に行けることが何よりも魅力です。通常の遊歩道を行くより倍くらいの時間をかけて最初登り素晴らしい展望を楽しんだ後は下ってゆきます。ガヴァルニー滝から流れる小川を渡り再度少し登るとオテル・ド・シルク(1570m)です。

       オテル・ド・シルク(1570m)からさらに20分ほど歩くとグランド・カスケード/Grand Cascadeと呼ばれているヨーロッパ2番目の高低差432mあるガヴァルニー滝のしぶきが届くところまで行くことが可能です。迫力ある滝をお楽しみください。オテル・ド・シルク(1570m)に戻り少し休憩して、引き返す道も遊歩道を使わず往路で使用した林道の西側の登山道の下にある湿地帯の道を歩いて行きます。6月などに歩くととても多くの花々が咲いていてとてもきれいです。石造りのナドー橋/Pont de Nadauまで来るとガヴァルニー村まであと少しです。この橋はもともと木造だった橋ですが、19世紀半ばに石造りに作り替えられたそうです。

       このルートはとにかく迫力あるガヴァルニー圏谷に向かって歩いてゆき、復路は振り返りつつガヴァルニー圏谷を背に戻ってきます。魅力は、角度や距離によってガヴァルニー圏谷が色々な表情を見せてくれます。


     ▼同じフレンチ・ピレネーのゴーブ湖のルート紹介はこちらです。
     ゴーブ谷の絶景と名峰ヴィニュマル峰展望ルート

     ▼こちらにハイキングコースの地図をあげておきます。
     所要:約4-5時間、距離:10.1 km、標高差:登り/下り469 m
     GAVARNIE HIKING MAP


     ▼その他、こちらのコースを含むピレネーのプランです。
     ピレネー・フラワー・ハイキング


     ▼スペイン側のルート紹介はこちら!
     アネト山展望ハイキング・ルート
       ベナスケの村から9:00発の路線バスでベスルタ(谷の最奥)終点のバス停へ向かいます。途中にある3星ホテルオスピタル・ド・ベナスケ/Hospital de Benasqueより奥へは許可車しか入れないようになっていますので、レンタカーの方も路線バスのご利用をお勧めします。ベナスケの村から約40分ほどでベスルタ・バス停に到着します。

       ここからハイキングがはじまります。南側の山、岩の多いゴツゴツした道を登りレンクルサ小屋/Rifugio de la Renclusa(2138m)を目指します。途中、アイギュアイエ湿原へ直接向かうルートとの分岐を右に登ってゆきます。レンクルサ小屋は、スペイン・ピレネー最高峰アネト山(3404m)の登頂登山ベースになる山小屋です。ここから東のレンクルサ峠(2284m)を越え、今度は岩々したルートをアイギュアイエ湿原(2074m)へと下っていきます。上から望む湿原もとてもきれいです。湿原から南側に目を向けると、ピレネー最高峰アネト山の北壁氷河が望めます。目を凝らすと登山者たちの姿も確認できるかもしれません。そしてこの湿原から少し下っていくとアイギュアイエ滝が大きな音を立てています。この滝はやがて伏流水となりますので、流れが地下へと潜り、地上にはなくなります。そしてそのまま下っていくとスタート地点のベスルタ・バス停に戻ります。

       ▼こちらにハイキングコースの地図をあげておきます。
       アイギュアイエ湿原とアネト山展望ルート
       所要:約3-4時間、距離:6.8 km、標高差:登り/下り523 m
       AIGUALLUTS ANETO HIKING MAP


       たくさん歩きたい方は、ベスルタ・バス停から北側のプエルト・デ・ベナスケ(フランスとスペインの国境)を目指すのも良いと思います。標高差は559mありますので、ゆっくり上がって約2時間でつきます。フランス側を覗くといくつかの湖とヴェナスケ小屋/Refuge de venasque(2249m)が望めます。南側にはアネトの北壁氷河を一番きれいに望めます。さらに西にあるピコ・サルヴァガルディア(2736m)山に約1時間かけて登頂することも可能です。プエルト・デ・ベナスケからは往路を戻りベスルタバス停へ戻るルートもあれば、谷の西側にあるオスピタル・ド・ベナスケ/Hospital de Benasque方面へ約2時間ほどかけて下ってゆくことも可能です。オスピタル・ド・ベナスケにもバス停はございます。

       ▼こちらにハイキングコースの地図をあげておきます。
       ベナスケ峠ルートとアネト山展望
       所要:約4時間、距離:7.9 km、標高差:登り/下り559 m
       PUERTO DE BENASQUE HIKING MAP


       2021年もあっという間に8月になってしまいました。それでは今週も私のお気に入りヨーロッパ・ハイキング・ルートをご紹介します。  フレンチ・ピレネーの景勝地スペイン橋駐車場から歩き出すこのルートは、
    • 迫力あるスペイン橋の滝
    • ゴーブ湖からの絶景
    • ビニュマル峰北壁と氷河
    • と見どころはたくさんあります。

       それではまず駐車場からはよく整備された遊歩道をゆっくりと登りスペイン橋を見上げるところへ。ここの水量は多く迫力ある渓流の流れをご覧いただけ、さらにこの辺りは温泉なので、日本の温泉地のように硫黄の臭いが漂っています。さてここはフランスなのになぜスペイン橋なのか?かつてフランスのこの地でスペイン人が交易をしていたことの名残だそうです。山道は険しいけれど南側の稜線を越えるとすぐそこはスペインです。
       このスペイン橋までは駐車場からゴンドラもあり、ゆっくりと動いているのですが、歩きなれている人は標高差も少なく快適に歩けるので、ゴンドラを使わず渓流からあふれ出るマイナスイオンを体感しながら歩くことをお勧めします。
       そしてスペイン橋の横には、赤い窓枠が印象的なホテル・レストラン・スペイン橋(1500m)が建っています。時間があればここでコーヒーブレイクするのもいいでしょう。

       さらに足を進めるとリフト乗り場に到着、ここから一気に標高を稼ぐためにリフトに乗車します(約12分)。上がった先のリフト山上駅(1678m)が実質的なスタート地点になります。ここからゴーブ湖(1725m)までは平らな林道を約15~20分で歩いてゆけます。

      スペイン橋の動画はこちら!
       ゴーブ湖から南のスペインとの国境に位置する山々と湖の景色は絶景です。しばらくここでボーっと眺めているだけで癒されます。さらに湖の右側のトレイルを登っていきましょう!湖へ流れ込む流れに沿って登っていくとやがて斜度を増していきます。一旦登り切った右側にある滝がエスプルムース滝(1936m)です。ここから振り返ってゴーブ湖を見下ろすと湖の青さが際立ってまた違う表情を見せてくれます。ひと息ついて、さらに進むと漸く力強いビニュマル峰(3298m)の雄姿が顔をのぞかせてくれます。


       ここからは流れの右岸と左岸にあるトレイルをゆっくりと登っていきます。それほど斜度のきつい場所もなく楽しいハイキングになることでしょう。そして谷はさらに広くなってくるとビニュマル峰もしっかりと眺めることができ、抱える氷河もはっきりと見えてきます。ヨーロッパアルプス各所で見れる氷河に比べるともちろん規模は小さいのですが、それでも近くで見るととても迫力があります。


       私はいつもこのビニュマル峰が望める場所(約2050m付近)でお弁当を広げます。このビニュマル峰北壁の垂直標高差は450mもあります。そんなとても贅沢な眺めを楽しみながらのランチになります。ゴーブ湖からここまで通常約2時間で歩けます。さらにここからすぐ先にはウレット小屋(2151m)があり、食事や飲み物も提供してくれるので、天気が悪いときはこちらの山小屋をご利用することをお勧めします。

       復路は往路と同じトレイルを戻りますが、視点が反対になって、陽の射す角度も変わるので同じトレイルでもまた違う雰囲気をお楽しみいただけることでしょう。
       帰りのリフトの時間は往路時に必ず確認しましょう!

       ▼こちらにハイキングコースの地図をあげておきます。
       ショートコース:所要:約1-2時間、距離:3.7 km、標高差:登り3 m/下り285 m
       VALLEE DE GAUBE SHORT
       ※ゴーブ湖からもう少し先まで登ったりして、時間や距離の調整が可能です。
       ロングコース:所要:約5-6時間、距離:13.8 km、標高差:登り/下り451 m
       VALLEE DE GAUBE LONG

     ▼同じフレンチ・ピレネーのガヴァルニー圏谷のルート紹介はこちらです。
     迫力のガヴァルニー圏谷ハイキング・ルート



     前回の記事、”ヨーロッパの山小屋について”に引き続き、私がお勧めする山小屋をさらに具体的に紹介させていただきます。各山小屋名をクリックすると、その山小屋のホームページにリンクしています。記載している山小屋以外にも素敵なほんとうに山小屋はたくさんあります。こうやって纏めていると早くまた行きたくなりますね。
    オーストリア、チロル
  1. ゾールシュタイン小屋(1805m)
    •  私が夏の間いつも滞在していたゼーフェルトから近い山小屋で何度もお世話になりました。ロバートさんとジェニーさん夫妻が管理する 山小屋で、とても暖かく出迎えてくれます。山小屋はかなり改築も進んでいて山小屋と思えないほどきれいな内装で、扉の気密性も高いので、1階ダイニングの会話音は、上階の寝室まで届かないようになっていて、早目の就寝でも快適にお休みいただけます。ノルトケッテ山脈西側にあるグローサー・ゾールシュタイン(2541m)の麓に建つ山小屋で、テラス席からは、イン谷やステューバイ氷河などを見下ろす景色が素晴らしい。夕食後の夕暮れ時は、テラス席でビールを飲みながら語り合う仲間同士の姿が多くみられます。またロバートさんは親日派で東日本大震災の時は寄付もしていただいています。
  2. ベルリナー小屋(2042m)
    • 1879年開業のとても歴史ある石造りの大きな山小屋です。この山小屋の魅力は何といってもツィラーターラーアルペンの3000m超の峰々と真近に迫る迫力ある氷河の大展望です。ヴァクセック氷河とホルンケース氷河、ヴァクセック氷河の背後にはツィラーターラーアルペン主峰のグローサー・メーゼラー(3480m)が聳えています。
      この山小屋を利用するプランはこちら!
    イタリア、ドロミテ
  3. プラットコーフェル小屋/サッソピアット小屋(2300m)
    • 2016年に改装しています。10年ほど前から通っていますが、改装前から十分きれいな山小屋でしたが、現在はホテルのようにさらに快適になっています。部屋は8-10名様収容のドミトリーから2-6名様収容の個室があります。場所はヨーロッパ最大の高層牧草地シウジ高原の南東に位置していて、山小屋名にもなっているプラットコーフェル山/サッソ・ピアット山(2969m)の麓にあります。テラスからはそのシウジ高原全域が見渡せとても開放的です。また東の方向に目を向けるとドロミテ最高峰マルモラーダ(3343m)の氷河も望めます。オーナー婦人のペトラさんはとてもフレンドリーで、若いスタッフたちもとてもよく教育されていて、山小屋ではとても快適に過ごせます。
  4. ラヴァレッラ小屋(2050m)
    •  ドロミテのファネス谷の静かな場所に佇むこの小屋は、スタッフにはワインソムリエとビールソムリエがいて、山小屋内に地ビール醸造所もある拘りのまさにグルメ山小屋なのです。またこの土地はラディン文化というとても古い土着文化が今も残り言葉もラディン語、ドイツ語、イタリア語の3通りで表記されていて、同様に食文化も3つの良いところを取り入れているため、チロルとラディンのしっかり系のボリュームと味付けとイタリアンのフレッシュで自然な味付けが融合されていて、私の私見になりますが、一番好みの食文化と言えます。ロケーションも名峰や氷河といった見どころはないもののファネス谷は2000mを超える標高の高い谷なので、とても静かでとても癒されます。
      この山小屋を利用するプランはこちら!
    フランス、ピレネー
  5. エスピュゲッタ小屋(2027m)
    •  ガヴァルニー村から南へ行くとガヴァルニー圏谷ですが、圏谷を正面に見て左側(東側)へ標高差700mを登っていくと、高原状になっていて、この山小屋があります。ここからはガヴァルニーや下の建国からは見えない、スペインとの国境にある「ブレシェドロラン/ロランの裂け目」の展望があります。またここからさらに北東にはプティ・ピメネ山(2667m)、ピメネ山(2801m)があるので、早く山小屋に着いた場合は、ここに登るのをお勧めします。
    スペイン、ピレネー
  6. ゴリッツ小屋(2200m)
    •  フランス側からスペイン側へと国境越えのハイキングをする時には必ず宿泊する山小屋です。スペイン側の壮大なオルデサ渓谷の景観を見下ろせる場所にある山小屋で、周辺では羊の放牧が盛んなので、数多くの羊に出会えます。こちらは国境越えの縦走歩きのハイカーも、石灰岩質の山ヨーロッパ最高峰のモン・ペルデュ(仏語)/モンテ・ペルディード(西語)登頂を目指す登山家のベースとしても利用されるため予約の取りにくい山小屋と言えます。山小屋の設備も質素で、最低限の設備となっています。
      この山小屋を利用するプランはこちら!
    イタリア、アオスタ
  7. エリザベッタ小屋(2195m)
    •  ツールドモンブランを歩いた人に一番良かった山小屋は?と聞くと多くの人がこのエリザベッタ小屋を挙げます。食事が美味しいのは当然で山小屋からはモンブランから流れ出る大迫力のグラシエ氷河の展望があり、見下ろすと美しいコンバル湿原をの展望があります。またモンブランに最も近いイタリア側の町、クールマイユールからもとても近いためツールドモンブランを歩いていない人も宿泊に来る山小屋で、モンブラン周辺では一番人気の山小屋なので、宿泊される場合は必ず予約が必要ですが、シーズン中は結構満室です。
      この山小屋を利用するプランはこちら!
  8. シャリーン小屋(1943m)
    •  ツールドファッレーレのルート上にあり、2006年に古い山小屋を改築しているのでとてもきれいな山小屋です。ドミトリーの部屋内にもそれぞれ洗面所、トイレ、シャワーがあるのでとても便利です。充電できる電源もあります。また小屋からはモンテ・チェルビーノ/マッターホルンなどスイスとイタリアの国境に聳える4000m級の名峰が眺められます。また山小屋正面でオーナー親戚家族が200頭の牛を飼っていて、そのミルクから作る美味しいDOCフォンティーナチーズが食事にも出してくれるのが嬉しい。また事前にチーズ小屋を見学したいというと案内してくれ、乳絞り体験も体験できるかもしれません。
      この山小屋を利用するプランはこちら!
    スイス
  9. フルアルプ小屋(2620m)
    •  山小屋というよりも山岳ホテルと呼んだ方がいいでしょう。食事があまりぱっとしないスイスの中ではとても美味しい食事を提供してくれます。部屋もドミトリーから個室まであります。この山小屋の魅力は何といってもマッターホルンを真正面に眺められることです。さらに少し下るとシュテリー湖(2537m)があり、天気のいい朝は、一般ハイカーで賑わう前に、湖に映る逆さマッターホルンを静かにご覧いただける可能性があります。

      この山小屋に立ち寄るプランはこちら!
    ■他にも山小屋について書いたお勧めの記事です
    ヨーロッパの縦走路/ロングトレイルについて
       いつもこの時期は、ヨーロッパの手配で忙しくしていたり、お客様の引率をしていたりと忙しくしていました。去年と今年はとても残念ですが、海外へも行けずに妄想するしかありませんね。そこでこれまでヨーロッパ・アルプスのオーストリア・チロル地方、イタリア・ドロミテ地方、イタリア・アオスタ地方、スイス・アルプス、フランス・シャモニー周辺、フレンチ・ピレネー地方、スペイン・ピレネー地方と色々な国で、多くの山小屋を利用させていただいた経験から2回にわたって山小屋についての記事を書かせていただきます。
       ただヨーロッパにある全ての山小屋を利用したわけではないので、どこの山小屋が本当に一番なのかなどとは語ることができませんが、あくまでも私の主観で感じた、これまで利用した山小屋の詳細やイメージ、楽しかった過ごし方などを書かせてもらおうと思います。
       それではヨーロッパの山小屋に関して具体的に書いていきたいと思います。
      ■山小屋の部屋タイプ
    • ドミトリータイプ(男女相部屋の場合もございます):マットレス、ベッド(2段ベッド含む)、毛布と枕はあります。
    • 個室タイプ:シャワー付きの2人部屋から2段ベッドなど数個設置され10人部屋くらいまで様々です。
    •  ※ヨーロッパの山小屋をご利用の場合、利用者がそれぞれシーツ(インナーシーツ、寝袋状のもの)を持参することが礼儀となっております。これは寝具を汚さないようにするマナーの為です。日本の旅行会社によっては、そこまで詳しくお客様への持参要請をしていないところが多いのですが、ヨーロッパでは持参するのが当然のことで、持参していなければとても失礼なことだということを予め覚えておく必要があると思います。※ただしシーツのサービスがある個室ご利用の場合は持参不要です。

      ■山小屋の設備
    • トイレ:各階に2~3個あるところが多い。収容人数に比べるとそんなに多くはない。
    • シャワー:多くの山小屋で石鹸や歯磨き粉もご使用いただけます。(有料:3~5euroくらい/約5分、フロントでトークン(コイン)を購入してそれを投入しシャワーが起動するところが多く、数分シャワーが流れて、数分休み(その間に体を洗う)、再度数分流れるシャワーもあります。)

    • 洗面所:多くの山小屋で石鹸や歯磨き粉もご使用いただけます。

    • 乾燥室:濡れた雨具や群れた登山靴を乾燥してくれます。
    • ※こちらは乾燥室ではありませんが、乾燥室内も同様のイメージです。
    • 電源:電源はどこも多くはないので、仲間でたこ足コンセントを用意すると便利です。

    • WIFI:山小屋によっては有料でWIFIを飛ばしているところもありますので、予めご確認ください。ただしWIFI回線はとても弱く、画像などUPができないことが多いです。
    • 山小屋によってサウナを設置しているところもあります!

      ■山小屋の食事
    • 夕食は、ほとんどの場合コース料理(前菜またはスープ+メイン+デザート)
    •  ※ピレネーなどでは、グループ毎に大皿や大鍋で配膳されて、各自取り分けなければならないことが多いですが、チロルやドロミテでは個々に皿に盛り付けられて配膳されるところが多いです。ただし例外もございます。
       ※ビールやワイン、ノンアルコール飲料などは別料金で販売されています。日本の山小屋の料金と比較するとアルコール飲料は半額くらいのところが多いです。標高が高いところが多いので飲みすぎに注意しましょう!


    • 朝食はほとんどの場合、コールドビュッフェとなります。ただし例外もございます。
      ■山小屋での過ごし方
    • 受付(チェックイン)山小屋スタッフに予約名を告げ、山小屋によっては山小屋での個人追加支払用(飲料代など)の伝票になるオーダーカードを配ってくれるところもあります。このオーダーカードを使ってチェックアウト時または就寝前に精算することになります。また多くの山小屋は室内履きに履き替えますが、人数分の用意をしているところが少ないため、室内履きを持参することをお勧めします。
       一度ギターが弾けた私はスペインの山小屋のバルコニーで日本人とスペイン人総勢30名くらいで夕食後に大合唱したことがありました。またある山小屋では、日本人のマッサージは欧米よりも強めで山小屋スタッフは経験が少なく、試しにスタッフに肩もみをしてあげると、とても気に入ってもらいお酒を奢ってもらって盛り上がったこともあります。こんな山奥でも文化交流ができるのは山小屋を利用する一番の特典ではないでしょうか?

    • チェックイン後~シャワー日本のグループは15~16時くらいに山小屋に到着することが多く、夕食は18時(ピレネーは19時)くらいからなので、それまでの間、濡れた衣服を乾かしたり、シャワーを浴びて寛いだりできますが、多くの場合、小休止の後は、日本人に限らずどのグループもダイニングに集まって宴会のようになって楽しんでいるところをよく見かけます。シャワーのない山小屋では持物リストで上げているウェットティッシュよりも大きく丈夫な「赤ちゃん用のおしり拭き」がお勧めです。

    • 夕食飲み物は宿泊料金(1泊2食付)に含まれておりませんので、別途注文して、オーダーカードがある山小屋では、スタッフに注文したものを記入してもらいます。

    • 消灯消灯時間は22時のところが多いのですが、日本人の方は少し早く21時くらいに寝られることが多いです。

    • 起床日本人のお客様は時差のせいもあって、早く寝るため起床も早くなる傾向にあります。早く起きてごそごそとナイロン袋の音をさせたりしているとほかのお客様(相部屋の場合)にとても迷惑をかけてしまいます。もし早く起床してしまった場合は、上着を着て外に出てください。山小屋でしか見れない素晴らしい朝の景色に出会えます。

    • 朝食コールドミールビュッフェのところがほとんどで、山小屋スタッフが配ってくれるところもあります。

    • お弁当、ピクニック山小屋に前日リクエスト(有料)しておいて、翌朝受け取るか、日本からアルファ米などの持参のお勧めします。アルファ米は水でも戻るので、私もよく「おこわ」などを持って行っていました。ただし道中山小屋が営業している個所もあります。その場合は、山小屋で温かい料理をいただけます。

    • チェックアウト部屋に忘れ物がないかチェック。ごみを放置してゆかないことも当然のルールです。

      ■山小屋宿泊時の持物リスト ※通常山行準備リストにあるものは含めていません。
    • インナーシーツシルク製は高額ですが軽量で小さいので持ち運びやすい。
    • 室内履きスリッパなど、私の場合はクロックスです。
    • ヘッドランプ夜間の山小屋内移動に便利です。
    • たこ足コンセントグループで1つでいい。
    • アルファ米翌日お弁当が必要な場合は、お勧めです。
    • タオルシャワー用、私の場合大きめのスイミングタオル(速乾性)を使用しています
    • ウェットティッシュ私の場合、赤ちゃん用のおしり拭きが丈夫で気に入っています。
    • 充電器充電器電源がない山小屋もありますので、充電が必要な方は充電器のご持参をお勧めします。
     次回はヨーロッパ各地にあるお勧めの山小屋について具体的に書いてみます。
      ▼
     ヨーロッパの山小屋について Part.2はこちら!


     他にも山小屋について書いたお勧めの記事です。
     ヨーロッパの縦走路/ロングトレイルについて
       フレンチ・ピレネー、今年で35回目を迎える夏の催し『ガヴァルニー・フェスティバル』は、2021年7月22日から8月3日まで、毎日夜21時に開演されます。昨年はコロナの影響でキャンセルになっているので、今年は是非開催されてほしいものです。今年の演目は『不思議の国のアリス』です。世界遺産の大自然の中での舞台は必見です!入場券は25euro(前売り:23euro)walkworldでは入場券手配も行っています。

      ガヴァルニー・フェスティバルの2021年のポスター

       世界遺産ガヴァルニー大圏谷、夏の夕暮れ時から特設野外劇場でその演目は演じられます。ガヴァルニー村(1200m)から遊歩道を30分ほど歩いた大圏谷内に野外特設ステージを設け、日本では絶対にありえない壮大なスケールの大自然の中、それも世界遺産での演劇を体験していただけるのです。21時開演って少し遅いなと思うかもしれませんが、ここはピレネー、この時間帯がちょうど陽が暮れかけた頃なのです。(夏時間がある上に緯度も北緯43度程あるのが日照時間が長い要因です。)ただここは標高が1200m以上あります。陽が暮れてしまうとかなり冷えてきますので、防寒具は必携です。そしてフランス語がわからなくても、大自然の中で、迫力ある爽快な非日常体験をたっぷり味わっていただけると思います。
       下の写真を見ていただいても分かりますが、本当にガヴァルニー大圏谷からすぐの場所に舞台設定をしています。見ていると劇場とは全く違った幻想的な雰囲気をお楽しみいただけることでしょう!
       まだコロナ禍でこの夏ピレネーへ渡航できるかどうか全くわからない状況ですが、今年いけなくてもまた来年同様に開催されると思いますので、心に留めておいていただければと思います。
    夏のガヴァルニー圏谷

    夏のガヴァルニー圏谷

       今週は、ピレネーの観光局勤務の友人と山岳ガイドに仕事の質問もあってメールしたところ、すぐに返信がありました。
       まずは、
       『こんな状況の中元気ですか?』
       と…。
       嬉しい気遣い。
       彼らとは毎年ピレネーか日本で会って楽しい時間を共有していましたが、今年はリモートで会えただけの本当に残念な1年でした。
       
       もうすぐクリスマスなので、家族とゆっくり楽しむためにしっかり準備をしているようです。そんな忙しい中私の質問に『すぐに答えられないよ』と、すぐに返信してくれてるところが面白い。『ゆっくり年明けに返信して』と返しておきました。
       こんな状況下でも家族や仲間を大事にしっかり前向きに人生を歩いているのが、ピレネーに住む人たちのいいところです。たった1度の人生を無駄なく楽しむために、地に足をつけて生きている感じが伝わりとても頼もしく、自分もこうあるべきだと再認識させられました。
       今回は観光局からフレンチピレネー3大圏谷(氷河の浸食でできたカール)の写真を送ってもらいましたのでご紹介します。上から順に、ガヴァルニー圏谷、エストーブ圏谷、トゥルムース圏谷(東から西)
    ガヴァルニー圏谷@HPTE_PIERRE MEYER

    ガヴァルニー圏谷@HPTE_PIERRE MEYER

    エストーブ圏谷

    エストーブ圏谷@HPTE_OT GAVARNIE-PIERRE MEYER

    トゥルムース圏谷

    トゥルムース圏谷@HPTE_OT GAVARNIE-PIERRE MEYER

       ピレネー山脈は、大西洋から地中海にかけてイベリア半島の付け根を東西430㎞にわたり連なっています。フランス、スペイン、アンドラの3国が所有しています。ここではスペイン側のピレネー・ハイキングの前後で是非訪れてみたい村を取り上げてみます。


       アインサ / Ainsa
       スペイン、アラゴン州、ウエスカ県
       標高:569m
       人口:約2200人
       「スペインの最も美しい村」の全68の村の中のひとつ

       マヨール広場を中心に、コンパクトな中世の城壁の村は1時間もあれば全て見て回れるサイズの村です。サンタ・マリア教会の鐘楼に登り、天気の良い日は、オルデサ渓谷、アラ川とシンカ川の合流地点、村の中心マヨール広場などを見下ろすのがお勧めです。



       アルケサル / Alquézar
       スペイン、アラゴン州、ウエスカ県の自治コミュニティ
       標高:660m
       人口:約300人
       「スペインの最も美しい村」の全68の村の中のひとつ

       アインサの南30㎞程のところに、ヴェロ渓谷に沿ってある崖にできたような村で、離れてみると浮かび上がっているように見える。キリスト教の村アインサに対抗して9世紀にできたアラビックな印象もあるイスラム教の砦の村です。村の周りにはオリーヴとアーモンドの畑が周りに広がっています。また渓谷と奇岩で有名な石灰岩層のシエラ・グアラ自然公園への玄関口の村としても利用されています。



       ボイ=タウル / Boi=Taull
       スペイン、カタルーニャ州、レイダ県、ボイ渓谷
       標高:1110m(ボイ)~1520m(タウル)
       人口:約500人(ふたつの村の合計)

       『ボイ渓谷のカタルーニャ風・ロマネスク様式教会群』として世界遺産登録されているこのボイ渓谷の上部に位置するタウル地区のサント・クレメント教会のフレスコ画はとても素晴らしく、これほどまで不便な場所ですが、多くの観光客が訪れています。サント・クレメント教会のビデオマッピングは1日8回上映されていますので、是非ご覧ください。



       トルラ / Torla
       スペイン、アラゴン州、ウエスカ県の自治コミュニティ
       標高:1060m
       人口:約300人

       オルデサ渓谷ハイキングや登山の拠点となる村です。古くからピレネー越えルートにあるサンチアゴ巡礼の村としても栄えた小さな石造りの村で、周辺の壮大な大自然の中にひっそりとたたずむ感じです。村からオルデサ公園内へは、シャトルバスが運行していて簡単にアクセスでき、歩きやすいハイキング道を気持ちよく歩けます。

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