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     柳生街道を歩いてきました。
     柳生街道は①滝坂の道②剣豪の道③柳生・笠置の道と3つのパートに分かれますが、今回は見どころが多く最も険しい②剣豪の道を歩いてきました。
     近鉄奈良駅からバスで忍辱山(にんにくせん)バス停へ向かいました。利用したバスは、奈良交通バス 【94系統石内(月ヶ瀬)行】近鉄奈良9:19発、忍辱山9:46着(660円)。バス停からすぐの場所に重要文化財豊富な円成寺(えんじょうじ)を拝観しました。歴史や神社仏閣好きな方なら、拝観料500円分の価値は十分にあると思います。拝観されない方も池のある庭には無料で入れますので、このきれいな庭を見学する価値はあると思います。
     拝観後、柳生の里へ向けて歩き始めます。道標はとても整備されているので、見失いように歩いていれば、迷うことはなさそうでした。まず国道から右斜めに下っていくのですが、これが結構下っていくのです。ちょうど昨日雨が降っていたので、滑りやすくスニーカーなどでは滑っていたかもしれません。街道は畦道、杉林、竹林、雑木林などとバリエーション豊富です。畦道は農家の人に手入れされているところもあれば、雑草が道にかぶっているところもありました。
     ところで歩く道のバリエーションが豊富だと色々楽しめますね。畦道を歩くと何故か童心に戻った感じになって、杉林を歩くと神聖な気持ちになって、竹林は竹の軋む音に話しかけられてるようで、雑木林は木漏れ日がきれいで、という風に楽しめました。みなさんはどんなシチュエーションでどんな気持ちになりますか?
     話を戻します。円成寺を出て最初の夜支布(やしゅう/やぎゅう)山口神社までは少し時間を要しました。この間最初下りが長く雨上がりの日だったので、ここは普通のスニーカーだと滑るだろうなと思い慎重に歩いていました。後半は畦道もあって気持ちよく歩けます。神社を後にすると再度田んぼの中を歩いていると畦道横に水木古墳があります。ここからはまた長閑な里山の中を歩いてゆきます。そして只今工事中で拝観停止になっている南明寺(なんみょうじ)おふじの井戸と続きます。ここまで、阪原側になります。
     ここから山へ入り急な登りが続きます。阪原峠(かえりばさとうげ)までのこの登りが、柳生街道最大の難所です。峠を越えて柳生の里へと下ってゆくと疱瘡(ほうそう)地蔵が見えてきます。ここから眼下に柳生の里が見下ろせます。下りきって舗装路を渡り再度登って天石立神社(あまのいわたてじんじゃ)と一刀石を目指します。まず鳥居が見えてその奥に巨岩がご神体の天石立神社、さらに奥に一刀石があります。アニメ「鬼滅の刃」の聖地とも言われているこの場所には多くの観光客が来ているのでしょう。写真用の刀も設置されていました。
     神社を後に下っていくと芳徳禅寺への近道があり、この道を利用して芳徳禅寺へ。拝観料は200円ですが、無人でした。今回入場しませんでしたが、奥には柳生一族の墓地があるようです。道を下って、柳生藩陣屋跡へ。いまは建物はなく史跡公園になっています。さらに足を進め歴史ある柳生の里最大の神社、柳生八坂神社を経て、お城のような迫力ある石垣の柳生藩家老屋敷を超えるとゴールの柳生バス停です。ちなみに帰りのバスは、【95系統JR奈良行】柳生15:43発、近鉄奈良駅16:37着(970円)でした。この前のバスは13:20発なので、このバスに合わすしかありませんね。


     上記行程は個人で行かれる場合の内容なのですが、こちらのツアーをガイドさんの案内で、神戸方面発着の日帰りバス旅行として神戸新聞旅行社さんが設定していますので、こちらもご案内させていただきます。
     
  • レベル:体力1、技術1
  • 日程:2021年9月24日(金)日帰り
  • 旅行代金:12,800円
  • スケジュール
  • -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
    専用バス 姫路駅(7:00)→ 神戸駅(8:15)→ 円成寺でトイレ休憩 (10:30)
    ハイキング 円成寺(10:30)…夜支布山口神社…南明寺…柳生の里…柳生バス停
    【歩行時間:約3時間、約9㎞、お弁当の時間は別】
    柳生バス停(14:30)→ 近鉄奈良駅付近(15:00)→ なら和み館(16:00)→ 神戸駅(17:30)→ 姫路駅(18:30)
    [食事:朝×、昼弁、夕×]
    -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


    お申込・お問い合わせは
    神戸新聞旅行社
    神戸:078-362-7174 姫路:079-285-3855
    営業時間:平日9:30~17:00/土日祝休み


訪問地の詳細
忍辱山円成寺(にんにくせんえんじょうじ)
     拝観料:500円、柳生街道随一の名刹(めいさつ)です。境内には鎌倉時代の建築物である春日堂・白山堂(国宝)をはじめ、室町時代再建の本堂(重要文化財)、楼門(重要文化財)、平成に入ってから再建された朱色の多宝塔などが建っています。寺宝の数も多く、運慶の20歳代の傑作として知られる大日如来像(国宝)があります。平安中期の創建といわれ、国の名勝に指定されている境内の庭園は藤原時代の作庭で、舟遊式と浄土式を兼備した寝殿造系庭園で、当時の都好みを今に伝える貴重な遺構です。
夜支布(やしゅう/やぎゅう)山口神社
     「柳生街道沿い」の山里「大柳生」地区に位置する比較的大きな神社です。神社はその創建年代は不詳ですが、大柳生地区の氏神様として平安時代の延喜式に既に記されていたという由緒と歴史を有する神社で、「山口神社」という呼び名は、その他の奈良県内の山間部にも数多くみられる名前で、その名の由来としては、朝廷が宮殿などの建物を建立する際に供出する木材を切り出すにあたり、「山の入り口(山の口)」にお祀りする神様として設けられた神社となっています。なお、神社の御祭神は「素盞嗚命(スサノオノミコト)」となっています。
水木古墳
     水木古墳は大柳生盆地の南東にある直径約16mの円墳で、墳丘の周縁には1~4段の石積が廻っています。埋葬施設は横穴式石室で、石室内から土師器や須恵器、鉄鏃、馬具などが出土しました。これらの出土遺物から6世紀後半から末の古墳だと考えられています。古墳時代後期の古墳は群集していることが多く「群集墳」と呼ばれますが、水木古墳は丘陵上に単独で存在する古墳です。奈良市東部を代表する後期古墳として歴史的に重要で、学術的価値も高いと評価されています。
南明寺(なんみょうじ)
     拝観料:300円 ※要予約 0742-93-0392 宝亀2年(771年)の創建といわれる古寺。本堂(重要文化財)は鎌倉時代の寄棟(よせむね)造りで、本尊薬師如来・釈迦如来・阿弥陀如来の藤原三仏(いずれも重要文化財)が安置されています。境内には鎌倉時代の宝篋印塔(ほうきょういんとう)、室町時代の十三重石塔などがあり、近くに柳生宗矩(やぎゅうむねのり)とお藤の恋を伝える「おふじの井戸」があります。
     ※令和3年8月31日まで、文化財保護設備設置工事延長のため拝観を停止しています。境内への立ち入りはいかなる理由においても禁止されています。公衆トイレを利用する際は、裏口(北側の出入口)からお入りください。
おふじの井戸
     「おふじの井戸」は、「柳生街道」沿い、「大柳生」地区と「柳生」地区の狭間に位置する小さな盆地のような空間である「阪原(さかはら)」地区と呼ばれるエリアにある古井戸です。この井戸は、その「おふじ」というユニークな名の通り、「お藤」と呼ばれる阪原の里に住んでいた若い女性を、徳川家の剣術指南役として有名な「柳生一族」の当主であり柳生藩初代藩主でもある柳生宗矩が見初めた場所であり、少し珍しい「馴れ初め伝説」の舞台となっています。
疱瘡(ほうそう)地蔵
     疱瘡よけを祈願してつくられたお地蔵さまです。右下に刻まれた、室町時代の徳政一揆をあらわした碑文が有名です。
天石立神社(あまのいわたてじんじゃ)と一刀石
     『延喜式(えんぎしき)』記載の式内社で、前伏盤(まえふせいわ)、前立盤(まえたていわ)、後立盤(あとたていわ)の3つの巨石が御神体です。前立盤は大きな扉のかたちをしており、伝説によれば高天原で、手力雄命(たじからおのみこと)が天岩戸を開けた際に勢いあまってその扉が飛び、この地に落ちたといわれるものです。神社の奥には、「一刀石(いっとうせき)」とよばれる巨石があり、天下に名をはせた剣豪・柳生石舟斎宗厳が天狗と間違えて切ったと言い伝えられていて、柳生新陰(しんかげ)流始祖のエピソードに彩りを添えています。
芳徳禅寺(ほうとくぜんじ)
      拝観料:200円、柳生家の菩提寺であり、1638年(寛永15年)柳生又右衛門宗矩 (やぎゅうまたえもんむねのり)が亡父石舟齋宗厳(せきしゅうさいむねよし)の供養のため創建したものです。開山は宗矩と親交のあった沢庵和尚(漬物の“たくあん”は沢庵和尚が初めて作ったとも言われています)です。本尊の両脇に柳生但馬守(たじまのかみ)宗矩座像、沢庵和尚座像、列堂和尚義仙像(宗矩の四男)が安置されています。北側には柳生家歴代の墓所もあります。
旧柳生藩陣屋跡 (現:史跡公園)
     柳生藩主の居所跡で昭和55年6月に史跡公園として整備されました。
柳生八坂神社
     「剣豪の里」として有名な柳生エリア、「家老屋敷」や「陣屋跡」といった観光スポットに囲まれた位置にある地域最大の神社です。この神社は、江戸時代の承応3年(1654年)に柳生宗矩の子である柳生宗冬が南に離れた大保地区の八坂神社のご祭神を勧請して社殿を造り「八坂神社」とした歴史を持っていますが、それ以前から春日大社の本殿第四殿の御祭神である比売神を祀る四之宮大明神(しのみやだいみょうじん)と呼ばれる神社であったとされています。境内は比較的立派なもので、とりわけ拝殿については同じく柳生エリアにある神社であり、本殿ではなく磐座をご神体とする天石立神社(あまのいわたてじんじゃ)の能舞台として用いられていた建物を移築したという歴史も持っています。ご祭神については、素戔嗚尊(スサノオノミコト)、その他には天照坐皇大御神・春日比賣大神なども祀られています。
旧柳生藩家老屋敷
     入場料:350円、柳生藩の財政立て直しを行った、家老小山田主鈴(おやまだしゅれい)の旧屋敷です。豪壮な石垣がみごとで、天保12年(1841年)尾張石工が築いたと刻まれています。昭和39年、作家の山岡荘八氏の所有となり、氏の小説「春の坂道」(NHKでドラマ化)の構想を練った屋敷として注目を集め、氏の亡き後は、その意志により、奈良市へ寄贈され、館内には柳生藩、山岡氏に関する資料の展示があります。
     奈良県と大阪府は金剛・葛城の山で東西に分かれていますが、その東側、金剛・葛城山麓を南北に葛城の道(葛城古道)と呼ばれる古道が今も残ります。(詳細は下記ご参照ください!)この道はとても古い歴史を持ち、私たち日本人のふるさと的な場所で、神話も多く、特に天孫降臨の伝承地・高天原として有名なのです。
     ウォーキングのコースは風の森バス停から近鉄御所駅までの約14-15㎞を南から北へ向かう山麓コースで、数々の神話の舞台となった神々の里をたずねる神秘的な道です。(逆コースにすると登りが増えます。)特に印象的な場所をあげると、高天彦神社~橋本院間、一言主神社~九品寺間です。お勧めの季節は彼岸花が咲き乱れる9月下旬や紅葉の美しい11月下旬です。


    おすすめのポイント
  • 神話の道、パワースポットを歩く
  • 高鴨神社は全国の鴨(加茂) 社の総社
  • 杉の巨樹が茂る高天彦(たかまひこ)神社参道は、神秘的な雰囲気
  • 天照大神(あまてらすおおみかみ)が統治した天上界 「高天原(たかまがはら)」の伝承地
  • 古い町並みの残る長柄集落を歩きます
  • 神々しい雰囲気漂う一言主神社の本殿と大銀杏
  • 奈良時代の僧、行基が開いた九品寺の千体石仏


    葛城の道(葛城古道)ルートの解説
     風の森バス停を始点に歩きます。風の森は御所の町から南に行った緩やかな峠を言います。そこから西の山側へと少し登り高鴨神社を目指します。この神社のそばに「葛城の道歴史文化館」(現在緊急事態宣言の為閉館中です)と「そば小舎」というおいしい蕎麦屋がありますので、葛城の道についてまず予習をして、昼前なら腹ごしらえもしてみてはいかがでしょうか。

     高鴨神社の後は、見晴らしがよい場所にある伏見池を経て、西へ折れ山道の参道を登り高天彦神社へ、この神社には本宮がなく背後の円錐型の山がご神体のようです。ここからは北側へ畦道を下り橋本院の手前にあるトイレの手前の、天孫降臨の伝承地「高天原」で神聖なる気持ちになってみましょう。橋本院は手入れされた「瞑想の庭」は、色々な花を見ることができます。この庭を通り抜け奥のアジサイの道を過ぎると獣除けの扉があり、そこから山道を下ります。一度舗装路に出て釣鐘を備えた山門「鐘楼門」が値を引く極楽寺と続き、ここから一望できる奈良盆地もきれいです。

     山から下りると舗装路に戻り長柄の町並みへと続きます。御所最古の中村家住宅や趣のある古民家、片上醤油などの街並みが続きます。街並みの最後の左手に鳥居があります。この鳥居を抜け坂道を登ってゆくと、一言だけ願いを叶えてくれるという一言主神社があります。ここからはまた畦道を歩き高丘宮跡を経由して九品寺に到着。本堂の裏を登ってゆくと「千体石仏」がありますが、とても見ごたえがあります。最後は再度舗装路に戻り六地蔵石仏までが葛城の道とされています。

    [ルート] 風の森バス停→葛城の道歴史文化館(10時~16時、月曜日休館)そば小舎→高鴨神社(全国の賀茂社の総社)→伏見池→高天彦(たかまひこ)神社(ご神体は山、天孫降臨の地高天原)→橋本院→極楽寺→長柄集落、中村家住宅(年代の判明する現存2番目に古い民家)→一言主神社(ひとことぬしじんじゃ/縁結びの神)→高丘宮跡→九品寺→六地蔵(千体石仏)→近鉄御所駅


葛城の道(葛城古道)の主なスポット
    【高鴨(たかがも)神社】
     本殿は三間社流造りで、国の重要文化財に指定されています。祭神は阿治須岐託彦根命(あじすきたかひこねのみこと)です。またこの地にいた鴨族と言われた人々は、政争いにかかわりたがらず、農耕の民として高鴨神社の祭神を最高神として崇めました。開拓精神旺盛だった鴨一族は新天地を求めて全国に分散し、賀茂と称する郡名が全国に28例もあります。なかでも京都の賀茂神社(上賀茂神社・下鴨社)は平安時代に皇室から崇敬されて有名になっています。
    【伏見池】
     御所市の山麓線沿いにあるこのため池は、今でも地域の田んぼにとって貴重な水源です。覗き込めば、ため池と共にこの地域が歩んできた歴史が、走馬灯の様に映り込んでくるようです。 秋には黄金色の稲穂や、真っ赤な彼岸花が緑色のため池を取り囲み、素晴らしいコントラストが写真映えします。
    【高天彦(たかまひこ)神社】
     高天彦神社は金剛山系に連なる白雲岳という山の麓に祀られた神さびた古社で、大昔にこの山中の聖林で行われていた祭祀が神社の起源であると言われています。この御所市の山麓一帯は、日本神話に登場する天孫降臨の舞台・高天原であるとの伝説が残る地として知られています。葛城王朝を築いた葛城一族の祖神を祭するこの神社は、今も伝説の地にふさわしい神さびた風情を周囲に漂わせています。
    【高天原伝承地】
     神々が住まうとされる高天原。『古事記』『日本書紀』によると、天照大神(あまてらすおおみかみ)が生まれた際、大変麗しい御子だということで高天原の統治を託されたとされる。高天彦神社の前に広がる台地一帯がその高天原の伝承地だという。見渡した奈良盆地は手を伸ばせば届きそうで、格別な眺め。上り坂の労苦も一瞬にして忘れさせてくれる景色です。
     高天彦神社から北東へ600mほどのところには「高天原伝承地」の碑が建ちます。すぐ近くには、花が多くとても手入れされた「瞑想の庭」のある、鑑真和上ゆかりの高天橋本院もあります。
    【中村家住宅】
     名柄村はもと藤原不比等の所領でしたが、興福寺に寄進され、後に幕府領となり宿場町として栄えました。旧街道沿いに古い民家が軒を連ねていて、江戸時代の雰囲気を色濃く残っています。中村氏邸は御所市内最古の建物で、吐田城主だった吐田越前守の子孫にあたる中村正勝が慶長期(1596~1615)に建てたと推定されています。江戸初期の家の造りを今に伝えるこの建築物は、全国的にみても歴史的価値の高いもので、国の重要文化財にも指定されています。
    【一言主(ひとことぬし)神社/縁結びの神)】
     願いを一言だけ聞いてくれる「いちごんさん」として地元の人から親しまれています。祭神は、古事記や日本書紀の中に見える事代主命です。雄略天皇が葛城山で狩をしている時、この神は天皇と同じ姿で現れ、天皇が「お前は何者だ」と問いかけたところ、「私は善事も悪事も一言で言い放つ神である」と申されました。天皇はひれ伏し、その後、共に狩を楽しんだとされています。しかし、続日本書紀によれば雄略天皇と狩の事でいさかいを起こし、四国の土佐に流されたという事です。その後許されて葛城の高宮付近に祀られたと記されています。
    【九品寺】  ※9月下旬頃、九品寺北側の彼岸花が素晴らしい!
     九品寺を開いたのは奈良時代の僧、行基です。九品寺はサンスクリット語で、その意味は布教でいう上品・中品・下品で、人間の品格をあらわしています。上品の中にも上中下があって中品や下品にもそれぞれ上中下があります。全部で九つの品があるので九品と名づけられています。その九品寺のご本尊は木造阿弥陀如来像で、国の重要文化財に指定されています。
     楢原氏は南北朝の戦いのとき、南朝に味方していた楠木正成公のため一族を引き連れて参戦しています。その戦いに行くとき、一族は身代わりのため石仏を彫って菩提寺だった九品寺に奉納したのが、本堂の裏山を登ったところにある千体石仏です。
    【六地蔵石仏】
     室町時代に豪雨によって、安位川が氾濫して、大災害が発生しました。そんな天変地異に村人は信仰心から仏教に救いを求め、災害によって流れ着いた大きな石に六地蔵を彫り込んだものと伝えられています。六地蔵とは仏教で言う六道で、人間が死ぬときいずれかに行くものと考えられていました。
     向かって右から
  • 天上道(日光菩薩)
  • 人間道(除蓋障菩薩)
  • 修羅道(持地菩薩)
  • 畜生道(宝印菩薩)
  • 餓鬼道(宝珠菩薩)
  • 地獄道(壇蛇菩薩)
  • となっています。


 walkworldでは、海外旅行企画手配だけでなく、国内企画手配旅行も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください!
  TEL : 078 392 2008
  FAX : 078 391 0643
  walkworld@atabi.co.jp(担当:井上)

     なかなかヨーロッパの記事が書けない状況なので、これからは関西近郊の魅力的な場所を少しずつご紹介してゆこうと思います。
     これまでこのブログでも熊野古道六十里越街道などの有名どころをご紹介してきましたが、やはり京都や奈良に近い関西近郊には、他にも魅力的な場所がたくさんありますね。
     今回はJRで簡単にアクセスできる琵琶湖の南、滋賀県大津から草津にかけての旧東海道を歩いてきました。
     出発は、大津宿本陣跡、ここにはもう本陣の建物はなく、石碑があるだけの場所です。ここから天孫神社、平野神社、義仲寺の順で旧東海道を歩いてゆきます。この後、膳所(ぜぜ)に入りますが、ここ大津市膳所には5つの神社があってちょうどこの日5月3日は「5社まつり」が開催される日でした。5社とは、石坐神社、和田神社、膳所神社、篠津神社、若宮八幡神社のことを言います。今年は神輿を担いで町内を練り歩いていたのかどうかはわからないのですが、膳所神社の境内には金色で美しいお神輿が置かれていました。そのあと訪れた篠津神社でも奉納されたお酒がきれいに並べられていました!
 
     話は前後しますが、膳所神社からまっすぐ琵琶湖へ進むとかつての膳所城の城門があります。その門を潜り抜けた膳所城跡は、現在膳所城跡公園となっています。ここからの琵琶湖の景色は最高でした。ゆっくりした休日の時間が流れていました。
     次に訪れた若宮八幡神社から瀬田の唐橋迄見どころが少ないので、瓦ヶ浜駅から唐橋前駅迄京阪電車で移動することをお勧めします。また時間があれば唐橋で下車せず石山寺駅まで行き、石山寺を訪問してから唐橋へと行くことも可能です。今回は石山寺には寄らず瀬田の唐橋を渡り、建部大社へと進みました。ここ建部大社は日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀る近江国一之宮として有名です。
     建部大社から先もまた見どころが少ないので、建部大社前バス停から石山駅行きのバスに乗ってエスケープしましょう。南草津までJRで移動して再度歩きます。
     野路(萩)の玉川跡、太田酒造、草津宿本陣、中山道と東海道の分岐点を経由して草津駅へと向かいます。本陣の残る旧東海道沿いの草津の古い町並みの方がかつての趣が残ります。


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     今回はまだツアーとしては出発日設定などはされていませんが、山形のパワースポットを歩く旅を作りましたので、ご紹介させていただきます。神戸在住の方に嬉しい神戸空港発着のスカイマーク便での設定にしています。(もちろん他の場所からのアレンジも可能です!)また2021年は、ちょうど4/1~9/30までの間、『東北デスティネーションキャンペーン』が開催されていて盛り上がりをみせています。
     そこで東北、山形県の村山地方と庄内地方にまたがる出羽三山『生まれかわりの旅』と山寺参拝をセットにしたプランにフォーカスしてみました。この辺りは山岳信仰の場として歴史ある霊山なのです。
     このコロナ禍で皆様色々と大変な境遇にある方も多いと思いますが、この『生まれ変わりの旅』で一度心身ともにリセットしてみるというのはいかがでしょうか。


■この旅で訪れる名所
 【出羽三山】
  • 「羽黒山(はぐろさん)」(414m)
     随神門をくぐれば2446段の石段がはじまります。
     山頂には1400年以上続く出羽三山の三神合神殿があります。
     3つの山の神様が集まっていることもあり、山全体がパワースポットとなっています。
     参道の国宝「五重塔」羽黒山の杉並木はとても有名です。
     登り切れば踏破認定書がもらえます(無料)。
  • 「月山(がっさん)」(1984m)
     日本100名山のひとつで、日本の名水百選にも選ばれている月山山麓湧水群があります。
  • 「湯殿山(ゆどのさん)」(1500m)
     湯殿山神社本宮は、出羽三山の奥の院とも言われています。
     写真撮影禁止、土足参拝厳禁と厳しい戒めで知られています。
     別名『恋の山』とも言われています。
  • 【出羽の古道 六十里越街道】
     出羽の古道・六十里越街道は、約1200年前から使われた歴史ある街道で、山形県の沿岸部から内陸部を結びます。
    【山寺・宝珠山立石寺(ほうじゅさんりっしゃくじ)】
     貞観2年(860年)清和天皇の勅願のよって慈覚大師が開いた、天台宗のお山です。


■ツアーお勧めのポイント
  • 出羽三山、羽黒山の三神合祭殿参拝
  • 弥陀ヶ原散策と月山登頂ハイキング
  •  ※見頃…[高山植物:7月上旬~8月上旬][紅葉:9月下旬~10月上旬]
  • 歴史ある出羽の古道 六十里越街道ハイキング
     ※皇壇の杉は巨木のパワースポットです
  • 日本百名滝のひとつ七ツ滝訪問
  • もう一つのパワースポット山寺参拝
  • 神聖な湯殿山大鳥居のすぐそばにある『湯殿山参籠所』に宿泊 
     ※御神湯に入れます。6/1からの営業となります
  • 湯殿山参籠所の精進料理体験
  • ねまがりたけ(月山筍/がっさんだけ)は、笹の筍で珍味です
     ※タイミングよく5月下旬~7月中旬の訪問なら是非お試しください!


    • ■スケジュール詳細
      ————————————————————————————————————
      1日目 <食事:朝X 昼〇 夜〇>
      スカイマーク152便 神戸空港7:55 → 仙台空港9:15
      9:00 専用バス 仙台空港 → 出羽山神社(所要:171㎞/約3時間)
      11:30 ランチ チェリーランドさがえ(予定)
      13:50 羽黒山山頂駐車場着 
      ●出羽神社 参拝 【日本遺産・ミシュラン☆☆】三神合祭殿(参拝)
      15:20 専用バス 羽黒山山頂駐車場 → 随神門前駐車場(約15分)
      15:35 随神門前駐車場…随神門…【ミシュラン☆☆☆】羽黒山杉並木…【国宝】羽黒山五重塔(参拝)…随神門前駐車場
       ※羽黒山では『現世の幸せを祈ります』
      16:30 随神門前駐車場 → 鶴岡(所要:13㎞/約30分)
      17:00 鶴岡ご到着
      鶴岡泊
      ————————————————————————————————————
      2日目 <食事:朝〇 昼X 夜〇>
      8:30 専用バス 鶴岡 → 月山八合目 (所要:36㎞/約1.5時間)
      ※大きなお荷物は湯殿山参籠所へお運びします
      10:00 
      ●弥陀ヶ原散策と月山登頂ハイキング
       弥陀ヶ原…月山山頂/月山神社(参拝)…頂上小屋(自由昼食)【日本遺産】湯殿山神社本宮(参拝)(所要:約6時間)
       ※月山神社では『死後の安楽と往生を祈ります』
      路線バス 湯殿山神社 → 湯殿山仙人沢 (所要:23㎞/約45分)
       ※湯殿山神社では『生まれ変わりを祈ります』
      17:00頃 湯殿山参籠所到着 湯殿山参籠所泊
      ————————————————————————————————————
      3日目 <食事:朝〇 昼〇 夜X>
      8:30 専用バス 湯殿山参籠所 → 大日坊 (所要:21㎞/約30分)
      9:00
      ●出羽の古道 六十里越街道ハイキング
       大日坊…皇壇の杉(おうだんのすぎ)…塞ノ神峠…柳清水…多層民家…七ツ滝
       (所要:約2時間30分)
       ※皇壇の杉:旧境内の小丘に立つ伝説の巨木・パワースポット
      11:30 専用バス 七ツ滝 → 道の駅『月山』 (所要:8㎞/15分)
      11:40 ランチ 道の駅『月山』月山あさひ博物村(予定)
      12:30 道の駅『月山』→ 山寺 (所要:80㎞/約1.5時間)
      14:00 山寺(拝観)(約2時間)
      ●松尾芭蕉ゆかりの山寺を参拝
       ※山寺・宝珠山立石寺『悪縁を断ち良縁を結ぶ』お寺として有名
      16:00 山寺 → 仙台空港 (所要:85㎞/約1.5時間)
      17:30 仙台空港着
      スカイマーク157便 仙台空港19:35 → 神戸空港21:00
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       神戸新聞社主催、祈りの古道を訪ねて、世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』を歩くというシリーズ6コースのツアープランが4/7からはじまります。ハイキング初心者の方でもお楽しみいただけるようゆったりペースで歩きます。また熊野古道案内経験豊富な添乗員と現地語り部が同行して歩きますので、安心して歴史への学びと古道の自然に癒されることでしょう。
  • 第1回 4/7(水)       高野山町石道
  •   【催行されました!】下の方に画像を掲載しています!
  • 第1回 【緊急事態宣言後の新規追加設定】 7/25(日) 高野山女人道
  • 第2回 5/11(火)-12(水) 中辺路①(滝尻~高原~近露)
    【変更】8/24(火)-25(水)
  • 第3回 6/8(火)-9(水)   中辺路②(近露~熊瀬川、発心門~熊野本宮大社)
    【変更】9/14(火)-15(水)
  • 第4回 9/14(火)-15(水) 中辺路③(大日越・小雲取越)
    【変更】10/4(月)-5(火)
  • 第5回 10/19(火)-20(水)中辺路④(大雲取越)
    【変更なし】
  • 第6回 11/24(水)-25(木)小辺路(果無越)
    【変更なし】

  •   【改訂版】祈りの古道チラシはこちら


    ■ツアーご報告
     第1回 4/7(水) 高野山町石道は晴天の中、無事に催行されました。
     その時の写真をご覧ください!(2021/4/8更新)
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    企画&添乗の藤田さんからのコメント
     道の世界遺産として登録されている「熊野古道」は奈良・三重・和歌山、大阪、 京都と関西をまたぐ壮大な道、平安時代から浄土信仰の高まりより京都から貴族 がお参りした道、鎌倉から室町時代にかけて熊野へのお参り「熊野詣」がブーム になり、すべての人々がアリのように行列を作って詣でたことから「蟻の熊野 詣」といわれた道です。
     「熊野本宮大社」「熊野速玉神社」「熊野那智大社」熊野三山は、もともと川や 滝、岩などをご神体とした自然神信仰から、私たちのルーツである神々が祀られ る祖先神信仰が入りました。また修験者たちが熊野の山奥に入り修行をした修験 道の聖地でもあります。このように仏教神道へだたりなく大きな信仰が熊野信 仰。私たち日本人の元を作った信仰です。世界中どこを探してもこんな心の広い 宗教は他にないですよね。
     私が最初に熊野古道を歩きたいと計画を立てた時、紀伊半島の台風が直撃した被 害がひどく、道も崩壊した状態で歩くことができずに、しばらく訪れる機会があ りませんでした。 関西に住んでいる私もなかなか行くには遠いなぁと感じる熊野でしたが、歩く機 会をいただいてからほぼ毎年のように訪れています。
    心がざわついたときに熊野古道を歩くとなぜか神聖な気持ちになり、また次も来 たいと思わせてくれる気持ちのいいいわゆるパワーがもらえる場所です。
     今の人も昔の人もこの魅力に取りつかれるのは、きっとこの心の広い熊野の神様 や仏さまたちが見守っているからなんだろうあぁといつも感じます。
     熊野三山「熊野本宮大社」「熊野速玉神社」「熊野那智大社」に辿りつけば、現 在・過去・未来・の罪が荒い流されると言われています。
     是非新しい自分発見に訪れてほしい日本の美しい場所です。今回、そんな私の「熊野愛」を皆さんに感じてほしくて参詣道のツアーをつくり ました。
    1回目は高野山へ続く参詣道でした。
    2回目からは、熊野古道を歩きます。
     古道歩きは整備された道ですが、登山と同じだと考えていただければ安全に歩く ことができます。熊野に詳しい語り部の方がついて歩いてくれます。それぞれの ツアーで熊野本宮大社に訪れます。
     是非この機会に美しい日本の道を歩いてほしいと思います!ご参加お待ちしてい ます。



     新規第1回以降は絶賛募集中ですので、是非ご検討ください!
     (緊急事態宣言発令の為、第1回は既に催行されているのですが、新規第1回から第4回の日程が変更されています。こちらの記事は、4/1に書いた記事を5/10、さらに6/24に更新しています。)