チロルのステューバイ谷の村フルプメスにあるスキー場シュリック2000/Schlik2000は、夏の間は、私のお気に入りのハイキング・スポットです。今回はそのハイキングコースをご紹介したいと思います。
     ゴンドラは標高1000mの山麓駅からクロイツヨッホ(2136m)/Kreuzjochへと一気に標高差1000m以上を稼いでくれます。まずこのクロイツヨッホ山頂駅でゴンドラを降りて目に飛び込んでくる景色が素晴らしいのです。

     正面に聳える石灰岩のゴツゴツした峰々が特徴的なカルクコーゲルは、古くから『北のドロミテ』とも呼ばれています。最高所はシュリッカー・ゼーシュピッツェ(2804m)/Schliker Seespitzeとそれほど高くはないのですが、十分に迫力はあります。

    ステューバイブリック展望台"

    ステューバイブリック展望台

     まずハイキングコースとは反対方向へ10分ほど登ったところにステューバイブリック展望台/Stubaiblickがあります。最初に一度ここまで登って絶景を楽しんでから歩き出すのをお勧めします。ここからはステューバイ谷の全貌や谷の奥にあるステューバイ氷河、反対側には、インスブルックの街とその背後に聳えるノルトケッテ連峰まで眺められる展望台なのです。
 
     ゴンドラ山上駅に戻りハイキングがはじまります。パノラマヴェーグ/Panoramawegという展望の良いルートをゼンヨッホ方面へ向かい、緩やかな登り道を約3-40分ほど歩きます。右手にはカルクコーゲルの迫力ある雄姿をご覧いただけます。ゼンヨッホの下にはゼンヨッホ小屋(2225m)/Sennjochhutteがありここで食事や小休止が可能です。そしてこの小屋周辺は高山植物が咲き乱れていてとてもきれいです。

     ここからチルマッハ小屋(1936m)/Zirmachalmまでは、さらに約3-40分ほどよく整備された道を下ってゆきます。さらにカルクコーゲルの山側迄行きそこから右に方向を変え、自然教育の道/Naturlehrwegと言われる道を45分~1時間ほど下りシュリッカー・アルム(1643m)/Schlikeralmに到着します。この道は家族連れなど子供たちが楽しめるよう、野生動物たちの写真や説明がある看板など、いろいろと自然を学べるように工夫されています。シュリッカー・アルムはこの辺りで最も大きなアルムで、家族連れなどでとても賑わっています。朝一番から歩いた場合、ここでランチをするのが最適です。

     ランチの後はさらにゴンドラ中間駅のブルッガー・アルム(中間駅)(1362m)/Brugger Almを目指します。まず20分ほど歩くとパノラマ湖に辿り着きます。とてもきれいな湖で、湖からはインスブルックの背後に聳えるノルトケッテ連峰やその反対側のパッチャーコーフェル山(2246m)をご覧いただけます。さらに3-40分ほど冬の間はスキー場のゲレンデの斜面になっているところを下っていくとゴールのブルッガー・アルム(中間駅)です。



     ▼こちらにハイキングコースの地図をあげておきます。
     ショートコース:所要:約2-3時間、距離:6.9 km、標高差:登り0 m/下り753 m
     SCHLIK2000 HIKING MAP SHORT
     ロングコース:所要:約3-4時間、距離:8.1 km、標高差:登り122 m/下り875 m
     SCHLIK2000 HIKING MAP LONG