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     シチリア島3連載最終は、再度シチリア本島に戻って東海岸沿いの魅力的な町を北から順にご紹介します。
     タオルミーナは、ギリシャ劇場跡などのとても古い遺跡が残り、エトナ山を望むタオルミーナからの展望はシチリア一と言われる人口11,000人ほどの小さな町です。映画『グラン・ブルー』の舞台にもなり、イオニア海に面する紺碧のビーチもすぐそばにあり、海も山も素晴らしい展望が楽しめる完璧なリゾート地です。町はタウロ山の中腹に位置する坂の多いかわいい町です。山の一番上の集落カステルモーラも細い路地、バーやレストランが多く、美味しい食事と絶景をお楽しみいただけます。
タオルミーナ
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カステルモーラ
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     カターニャは、人口約31万人のシチリア島2番目の大きさの町です。エトナ山の南に位置する町は、歴史上何度か町が火山灰に埋もれる被害に見舞われたこともあります。そんなエトナ山は2週前にこのブログでも記載した通り2月はかなり活発な活動をしていたようですが、現在は噴火しているもののかなりおさまってきている模様です。 また1090年に完成したサンタ・アガタ大聖堂やシチリア最古の大学カターニア大学、サン・ジュリアーノ宮殿など歴史的な建築物が豊富です。そのため町全体が『ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々』として、世界遺産にも登録されています。
 
     シラクサは人口約12万人の“シチリアで最も美しい町”と言われる歴史ある町です。歴史的にも有名な天才数学者アルキメデスを生んだ町で、太宰治の小説『走れメロス』の舞台としても知られている町です。シラクサ南部に突き出たオルティージャ島は、歴史ある古い建造物が立ち並ぶ美しい旧市街です。
     ノートは、シラクサの南西に位置し、上記の3つの町と異なり少し内陸部にあります。人口約2万4000人からなる世界遺産『ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々』の8つある町の中の代表的な町です。(8つの登録されている町は、①カルタジローネ、②ミリテッロ・イン・ヴァル・ディ・カターニア、③カターニア、④モディカ、⑤ノート、⑥パラッツォーロ・アクレイデ、⑦ラグーザ、⑧シクリ)暑い日などは、バロック様式の美しい町をお楽しみいただいた後、名店カフェ・シチリアのグラニータをお勧めします。

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地中海最大の島、イタリア、シチリア島‐①
地中海最大の島、イタリア、シチリア島‐②
     今回はシチリア島北東部にある世界遺産『エオリア(エオリエ)諸島』について書いてみたいと思います。エオリア諸島は主にリパリ島、サリナ島、ヴルカノ島、ストロンボリ島、パナレア島、フィリクデ島、アリクディ島の7島からなっています。
     エオリア諸島は火山の島々なのですが、火山の種類は主に周期的にマグマを噴出するストロンボリ型噴火と単発で大規模な噴火をするヴルカノ式噴火など(ほかにもハワイ式噴火、プリニー式噴火などがあります)に分かれるのですが、その中の代表的なふたつがこのエオリア諸島に存在します。
     まずエオリア諸島の中で一番南のシチリア島に最も近い島がヴルカノ島で、一番北側にあるのがストロンボリ島で、以前このふたつの島を訪れました。
     ヴルカノ島はシチリア島北部のミラッツォ港から高速艇に乗って約1時間でアクセスできます。ヴルカノ島の標高386mのメインクレーターのあるグラン・クラテーレ山に登れ、クレーターの周りを歩くことができます。このハイキングは往復3時間ほどで、強い硫黄の臭いを感じながら気軽に今まさに活動中の火山を観察しながら歩くことができます。また下山後に時間があれば高速艇発着場所の反対側に泥の温泉がありますので、体験してみてはいかがでしょうか?肌がスベスベになるそうです。(入場料:3ユーロ)
     次はさらに高速艇に乗ってストロンボリ島へ向かいます。所要時間は高速艇で約1.5時間です。
     この島は火山ハイキングで最も迫力ある火山活動が観察できます。ストロンボリ火山の標高は918mあります。夕方火山ガイド事務所前に集合しグループ毎に分かれて間隔をあけて順番に歩きだします。標高差が900mほどありますので、登りだけで3時間以上要しますが、それだけかけて登る価値は十分にあります。ひたすら上り続けて山頂直下(約830m付近)でピクニック夕食を食べながら順番を待ちます。順番が来れば頂上の噴火口の観察場所へ火山ガイドと共に向かいます。このストロンボリ火山の噴火口は頂上より下にあるため、頂上からは見下ろせるようになります。かつてストロンボリは『地中海の灯台』とも言われ約2500年もの間約15分に1回の割合で溶岩を噴き上げています。その15分に一度の噴火を眼下に見に行くのです。下山は登りと異なるルートで、火山灰の上を須走で下山してゆきますので、登りより短い時間で下山できます。
     ただ2019年の強い噴火後、この頂上へのハイキングツアーは中断されています。ただこの頂上へ行くハイキング以外にも、反対側の溶岩流を望める場所へのもう少し簡単なハイキングもあります。
     ハイキングのスタート時間が遅いため、午前中の時間を弄びそうですが、この時間は貸切ボートで島の反対側のジノストラ集落に立ち寄る島一周クルーズをお勧めします。
     ジノストラ集落は建物が点在していて、とても長閑な雰囲気が漂っています。できるなら部屋を1週間くらい借りて何も考えずに過ごしたいと思わせるようなところです。再度貸切ボートに乗船して島の反対側から煙が上がる噴火口を下から眺め、ストロンボリの町に戻る前、ストロンボリの正面にあるストロンボリッキオという小島に接近して、かつての海軍の灯台を見て戻ってきます。私が訪れたのは10月の前半でしたが、風が気持ちよくとても過ごしやすかったのを覚えています。
     最後にストロンボリの町は、ヨーロッパ各所から芸術家が集まる場所でもあって、ところどころにアトリエがあったり、カラフルな壁が並ぶ町中を散策するだけでもセンスいい可愛さに心惹かれることでしょう!
     私はシチリア島の東側とエオリア諸島のヴルカノ島とストロンボリ島に行ったことがありますが、どこもとても素晴らしいところです。
     ゲートインの空港はカターニャ空港、南側のシラクーサとその西側の
  • 世界遺産『ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々』
  • や北側のタオルミーナが有名な観光地です。
     またシチリア島最高峰(ヨーロッパの活火山最高峰)の
  • 世界遺産『エトナ山(3326m)』
  • 島の北側にある
  • 世界遺産『エオリア諸島』
  • は外せないパワースポットです。
     ところでエトナ山が、今月1月18日から噴火をはじめ2月16日は溶岩流が大きくなり、麓のカターニャの町の一部では避難しだしている所もあるようですが、現状人々への危険はないとされています。それでも皆様の無事をお祈りしています。
     この火山の噴火はストロンボリ式と言われ、シチリア島の北側にあるエオリア諸島のひとつ、ストロンボリ島からの由来で、間欠的で比較的穏やかな爆発を伴う噴火だそうです。最近噴火が激しくなっているので、夜には赤い溶岩流がはっきりと見えるようです。
     ▼ こちらをご覧ください!
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     まさに地球のパワースポットですね。
     こんなシチリア島ですが、見どころがたくさんあるだけでなく、食事も美味しく、是非行っていただきたい場所のひとつなのです。レモンやトマト、ピスタチオなどはシチリアを代表する農産物です。
     シチリアの代表的な銘菓はカンノーリ、暑い夏にはシェイクのようなグラニータ、ファストフードはアランチーノ(ライスコロッケ)、パスタにはピスタチオの粉が振ってあったり、魚介類はどれも美味しく調理されていて、イタリアの他の場所と比べ、長期間滞在しても食事に困らない感じです。