早いものでもうすぐ2021年も7月が終わりそうです。未だに渡航して帰国すると14日間隔離が必要な状況の中、なかなかチロルでのハイキングを体験していただくまではいかないのですが、来年こそはという願いを込めて、今回はチロルの氷河大展望のルート、エッツタール最奥の村オーバーグルグルのホーエムートアルムから村まで下りてくるルートをご紹介したいと思います。
     以前、チロルには夏の間ずっと滞在していて、日本からのお客様が多い時期は、お客様のサポートをして忙しくしていましたが、ちょうど7月末から8月になると仕事にも余裕が出てきて下見がてらにどこかを歩くことが多かったのを思い出します。特に今から10年前くらいはよく歩きました。
     まずはこちらの記事をご覧ください!エッツタールでお得に過ごすための記事です。
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     こちらの記事にはこの谷に滞在するともらえるエッツタール・プレミアム・カードのことを中心に書いてありますが、エッツタールの説明もしています。ちなみにこのエッツタール・プレミアム・カードが2021年からエッツタール・インサイド・カードという名前に変わり、内容も少し変わりました。この変更点に関しては、後日ご紹介します。

     話を戻しますと、そのチロル一深い谷、エッツタールの最奥に位置するのが、ここオーバーグルグル村(1907m)です。

     ここへのアクセスは人気リゾート、エッツタールの中の村で、もう少し手前のゼルデン(1368m)から路線バスで約20分ほどです。チロルにしては便数も多く、30分間隔くらいで運航してくれていますので便利です。
     ▼ここゼルデンに滞在するプランをご紹介しています。
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     オーバーグルグル・ツェントラムのバス停で降りるとゴンドラ乗場まで徒歩すぐ(約200m)です。2021年このゴンドラは6月25日から9月19日まで運行予定です。このゴンドラは一度中間駅で乗換え、ホーエムート・アルム(2670m)に到着します。料金は片道15euro、往復24euroですが、エッツタールに滞在して、エッツタール・インサイド・カードを所持していれば無料でご乗車可能です。そしてこのホーエムート・アルムのゴンドラ山頂駅横にはホーエムート・アルム(小屋)があり、レストランになっています。ここからは21の3000m峰が望め、ガイスベルグ氷河ロートムース氷河も正面に印象的に望めるため、絶景のレストランです。昼前くらいに山頂に着くならここでランチをゆっくりいただくことをお勧めします。また早い時間から歩くなら、ハイキング途中にシェーンヴィーズ小屋(2270m)があり、こちらで昼食を食べるのもお勧めです。どちらの小屋も最近新装していて、食事のクオリティーも高いので、とてもお勧めです。

     ハイキングはホーエムート・アルムからシェーンヴィーズ小屋へ向けて降りていくルートと、健脚の人ならロートムース氷河の手前まで歩いてお折り返してシェーンヴィーズ小屋へ向かうルートがあります。氷河手前まで行くコースは迫力満載でお勧めですが、ホーエムート・アルムからの展望だけでも満足いただけると思いますので、そのままシェーンヴィーズ小屋へ向かう人も多くいます。
     かつてロートムース氷河が削り取った谷の先端にはモレーン(氷堆積)になっていて、ちょうどそのあたりにシェーンヴィーズ小屋があります。小屋で一息ついた後は、氷河が解けた水が深く削った渓流の横を下ってゆき、その先にあるロートムース滝(落差42m)へと続きます。滝の下側はツィルヴェン・ヴァルトという霜降り松の森になっています。ここを少し通過して往路のゴンドラ中間駅を経由して放牧されている牛たちを眺めながらオーバーグルグルの村まで下ってゆきます。