2021年もあっという間に8月になってしまいました。それでは今週も私のお気に入りヨーロッパ・ハイキング・ルートをご紹介します。  フレンチ・ピレネーの景勝地スペイン橋駐車場から歩き出すこのルートは、
  • 迫力あるスペイン橋の滝
  • ゴーブ湖からの絶景
  • ビニュマル峰北壁と氷河
  • と見どころはたくさんあります。

     それではまず駐車場からはよく整備された遊歩道をゆっくりと登りスペイン橋を見上げるところへ。ここの水量は多く迫力ある渓流の流れをご覧いただけ、さらにこの辺りは温泉なので、日本の温泉地のように硫黄の臭いが漂っています。さてここはフランスなのになぜスペイン橋なのか?かつてフランスのこの地でスペイン人が交易をしていたことの名残だそうです。山道は険しいけれど南側の稜線を越えるとすぐそこはスペインです。
     このスペイン橋までは駐車場からゴンドラもあり、ゆっくりと動いているのですが、歩きなれている人は標高差も少なく快適に歩けるので、ゴンドラを使わず渓流からあふれ出るマイナスイオンを体感しながら歩くことをお勧めします。
     そしてスペイン橋の横には、赤い窓枠が印象的なホテル・レストラン・スペイン橋(1500m)が建っています。時間があればここでコーヒーブレイクするのもいいでしょう。

     さらに足を進めるとリフト乗り場に到着、ここから一気に標高を稼ぐためにリフトに乗車します(約12分)。上がった先のリフト山上駅(1678m)が実質的なスタート地点になります。ここからゴーブ湖(1725m)までは平らな林道を約15~20分で歩いてゆけます。

    スペイン橋の動画はこちら!
     ゴーブ湖から南のスペインとの国境に位置する山々と湖の景色は絶景です。しばらくここでボーっと眺めているだけで癒されます。さらに湖の右側のトレイルを登っていきましょう!湖へ流れ込む流れに沿って登っていくとやがて斜度を増していきます。一旦登り切った右側にある滝がエスプルムース滝(1936m)です。ここから振り返ってゴーブ湖を見下ろすと湖の青さが際立ってまた違う表情を見せてくれます。ひと息ついて、さらに進むと漸く力強いビニュマル峰(3298m)の雄姿が顔をのぞかせてくれます。


     ここからは流れの右岸と左岸にあるトレイルをゆっくりと登っていきます。それほど斜度のきつい場所もなく楽しいハイキングになることでしょう。そして谷はさらに広くなってくるとビニュマル峰もしっかりと眺めることができ、抱える氷河もはっきりと見えてきます。ヨーロッパアルプス各所で見れる氷河に比べるともちろん規模は小さいのですが、それでも近くで見るととても迫力があります。


     私はいつもこのビニュマル峰が望める場所(約2050m付近)でお弁当を広げます。このビニュマル峰北壁の垂直標高差は450mもあります。そんなとても贅沢な眺めを楽しみながらのランチになります。ゴーブ湖からここまで通常約2時間で歩けます。さらにここからすぐ先にはウレット小屋(2151m)があり、食事や飲み物も提供してくれるので、天気が悪いときはこちらの山小屋をご利用することをお勧めします。

     復路は往路と同じトレイルを戻りますが、視点が反対になって、陽の射す角度も変わるので同じトレイルでもまた違う雰囲気をお楽しみいただけることでしょう。
     帰りのリフトの時間は往路時に必ず確認しましょう!

     ▼こちらにハイキングコースの地図をあげておきます。
     ショートコース:所要:約1-2時間、距離:3.7 km、標高差:登り3 m/下り285 m
     VALLEE DE GAUBE SHORT
     ※ゴーブ湖からもう少し先まで登ったりして、時間や距離の調整が可能です。
     ロングコース:所要:約5-6時間、距離:13.8 km、標高差:登り/下り451 m
     VALLEE DE GAUBE LONG

 ▼同じフレンチ・ピレネーのガヴァルニー圏谷のルート紹介はこちらです。
 迫力のガヴァルニー圏谷ハイキング・ルート