今回は南チロル地方について触れてみたいと思います。

 南チロルってどこ?

 イタリアの北東部には、トレンティーノ=アルト・アディジェ特別自治州という州がありますが、この州はボルツァーノ自治県:スッド・ティロル[南チロル](独名)/アルト・アディジェ(伊名)トレント自治県:トレンティーノの南北の2県で構成されています。

 日本でもよく聞かれるチロルという地域はオーストリアのチロル州と上記のイタリアのスッド・ティロル[南チロル]から構成された地域のことを指します。

 このスッド・ティロル地方のことを、以下[南チロル]と呼ばせてもらいます。

 まずティロル/チロルの名の由来は、この南チロルのメラーノの北側にあるティロロ村の地名から由来しているようです。話されている言語は、イタリアであるにもかかわらず約75%の住民がドイツ語を話し、一部の地域(約5%の住民)では古くから使われているラディン語が話されていて、イタリア語はわずか25%話されているだけなのです。

 こうなると道路標識も2~3言語を使用しているところも多く、日本では目にしない標識に出会います。

 地理的には、世界遺産のドロミティ地方が、ほぼこの南チロル地方のアディジェ川を挟んで東側に位置します。対してアディジェ川の西側のボルツァーノ周辺にはワイン街道があり、品質の高いワインを生産していて、また 同じ地域ではリンゴも豊富に生産されていて、とても豊かな地域なのです。

 ヨーロッパでは、イタリアのビールはワインと違ってあまり評価されていませんが、南チロルにはフォルスト/Forstという地ビール醸造所があります。メラーノの西にあるここフォルストのビールは、イタリア・ビールと言えど侮れません。ということで、南チロルはビールもワインも美味しく、アルコールがダメな方にはアップル・ジュースもあります。食事はチロル郷土料理とイタリアンのミックスです。
そして古くからこのような国境付近の土地では、人々はより切磋琢磨して生活していますので、食事だけでなく、ホテルのサービスから人々のもてなしまでが素晴らしく、ヨーロッパでもNO.1の場所だと感じています。

 南チロルではドロミテがとても有名ですが、日本でよく知られているのはドロミテの東側が多く西側はあまり知られていませんが、西側もとても迫力ある山々をご覧いただけます。

 さらにドロミテから西側に移動すると、ボルツァノの北側には、ソプラ・ボルツァノからコッラルボまで 全長6.6㎞のかわいいリッテン鉄道(独語)/レノン鉄道(伊語)が走っています。このコッラルボから先へさらに歩くと土柱/アース・ピラミッドという奇岩をご覧いただけます。またボルツァーノからさらに西側へ進むと温泉保養地のメラーノが有名で、さらに西側には、オーストリアのエッツ谷の南側にあたる、シュナールス谷(独語)/セナレス谷(伊語)があります。この谷では毎年9月の中下旬に夏の間オーストリア側で放牧された羊たちがイタリア側に戻ってくるシャウフューベルトリーブ/Schafübertriebeという祭りが行われますが、その羊の数が数千頭で迫力あるお祭りをご覧いただけます。

 まだまだお伝え出来ないほど南チロルは魅力にあふれているところです。少しでも多くの方に大好きなこの地方をご紹介できればと思います。


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