イタリア、南チロルにある谷の名称

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     いつもこの時期は、ヨーロッパの手配で忙しくしていたり、お客様の引率をしていたりと忙しくしていました。去年と今年はとても残念ですが、海外へも行けずに妄想するしかありませんね。そこでこれまでヨーロッパ・アルプスのオーストリア・チロル地方、イタリア・ドロミテ地方、イタリア・アオスタ地方、スイス・アルプス、フランス・シャモニー周辺、フレンチ・ピレネー地方、スペイン・ピレネー地方と色々な国で、多くの山小屋を利用させていただいた経験から2回にわたって山小屋についての記事を書かせていただきます。
     ただヨーロッパにある全ての山小屋を利用したわけではないので、どこの山小屋が本当に一番なのかなどとは語ることができませんが、あくまでも私の主観で感じた、これまで利用した山小屋の詳細やイメージ、楽しかった過ごし方などを書かせてもらおうと思います。
     それではヨーロッパの山小屋に関して具体的に書いていきたいと思います。
    ■山小屋の部屋タイプ
  • ドミトリータイプ(男女相部屋の場合もございます):マットレス、ベッド(2段ベッド含む)、毛布と枕はあります。
  • 個室タイプ:シャワー付きの2人部屋から2段ベッドなど数個設置され10人部屋くらいまで様々です。
  •  ※ヨーロッパの山小屋をご利用の場合、利用者がそれぞれシーツ(インナーシーツ、寝袋状のもの)を持参することが礼儀となっております。これは寝具を汚さないようにするマナーの為です。日本の旅行会社によっては、そこまで詳しくお客様への持参要請をしていないところが多いのですが、ヨーロッパでは持参するのが当然のことで、持参していなければとても失礼なことだということを予め覚えておく必要があると思います。※ただしシーツのサービスがある個室ご利用の場合は持参不要です。

    ■山小屋の設備
  • トイレ:各階に2~3個あるところが多い。収容人数に比べるとそんなに多くはない。
  • シャワー:多くの山小屋で石鹸や歯磨き粉もご使用いただけます。(有料:3~5euroくらい/約5分、フロントでトークン(コイン)を購入してそれを投入しシャワーが起動するところが多く、数分シャワーが流れて、数分休み(その間に体を洗う)、再度数分流れるシャワーもあります。)

  • 洗面所:多くの山小屋で石鹸や歯磨き粉もご使用いただけます。

  • 乾燥室:濡れた雨具や群れた登山靴を乾燥してくれます。
  • ※こちらは乾燥室ではありませんが、乾燥室内も同様のイメージです。
  • 電源:電源はどこも多くはないので、仲間でたこ足コンセントを用意すると便利です。

  • WIFI:山小屋によっては有料でWIFIを飛ばしているところもありますので、予めご確認ください。ただしWIFI回線はとても弱く、画像などUPができないことが多いです。
  • 山小屋によってサウナを設置しているところもあります!

    ■山小屋の食事
  • 夕食は、ほとんどの場合コース料理(前菜またはスープ+メイン+デザート)
  •  ※ピレネーなどでは、グループ毎に大皿や大鍋で配膳されて、各自取り分けなければならないことが多いですが、チロルやドロミテでは個々に皿に盛り付けられて配膳されるところが多いです。ただし例外もございます。
     ※ビールやワイン、ノンアルコール飲料などは別料金で販売されています。日本の山小屋の料金と比較するとアルコール飲料は半額くらいのところが多いです。標高が高いところが多いので飲みすぎに注意しましょう!


  • 朝食はほとんどの場合、コールドビュッフェとなります。ただし例外もございます。
    ■山小屋での過ごし方
  • 受付(チェックイン)山小屋スタッフに予約名を告げ、山小屋によっては山小屋での個人追加支払用(飲料代など)の伝票になるオーダーカードを配ってくれるところもあります。このオーダーカードを使ってチェックアウト時または就寝前に精算することになります。また多くの山小屋は室内履きに履き替えますが、人数分の用意をしているところが少ないため、室内履きを持参することをお勧めします。
     一度ギターが弾けた私はスペインの山小屋のバルコニーで日本人とスペイン人総勢30名くらいで夕食後に大合唱したことがありました。またある山小屋では、日本人のマッサージは欧米よりも強めで山小屋スタッフは経験が少なく、試しにスタッフに肩もみをしてあげると、とても気に入ってもらいお酒を奢ってもらって盛り上がったこともあります。こんな山奥でも文化交流ができるのは山小屋を利用する一番の特典ではないでしょうか?

  • チェックイン後~シャワー日本のグループは15~16時くらいに山小屋に到着することが多く、夕食は18時(ピレネーは19時)くらいからなので、それまでの間、濡れた衣服を乾かしたり、シャワーを浴びて寛いだりできますが、多くの場合、小休止の後は、日本人に限らずどのグループもダイニングに集まって宴会のようになって楽しんでいるところをよく見かけます。シャワーのない山小屋では持物リストで上げているウェットティッシュよりも大きく丈夫な「赤ちゃん用のおしり拭き」がお勧めです。

  • 夕食飲み物は宿泊料金(1泊2食付)に含まれておりませんので、別途注文して、オーダーカードがある山小屋では、スタッフに注文したものを記入してもらいます。

  • 消灯消灯時間は22時のところが多いのですが、日本人の方は少し早く21時くらいに寝られることが多いです。

  • 起床日本人のお客様は時差のせいもあって、早く寝るため起床も早くなる傾向にあります。早く起きてごそごそとナイロン袋の音をさせたりしているとほかのお客様(相部屋の場合)にとても迷惑をかけてしまいます。もし早く起床してしまった場合は、上着を着て外に出てください。山小屋でしか見れない素晴らしい朝の景色に出会えます。

  • 朝食コールドミールビュッフェのところがほとんどで、山小屋スタッフが配ってくれるところもあります。

  • お弁当、ピクニック山小屋に前日リクエスト(有料)しておいて、翌朝受け取るか、日本からアルファ米などの持参のお勧めします。アルファ米は水でも戻るので、私もよく「おこわ」などを持って行っていました。ただし道中山小屋が営業している個所もあります。その場合は、山小屋で温かい料理をいただけます。

  • チェックアウト部屋に忘れ物がないかチェック。ごみを放置してゆかないことも当然のルールです。

    ■山小屋宿泊時の持物リスト ※通常山行準備リストにあるものは含めていません。
  • インナーシーツシルク製は高額ですが軽量で小さいので持ち運びやすい。
  • 室内履きスリッパなど、私の場合はクロックスです。
  • ヘッドランプ夜間の山小屋内移動に便利です。
  • たこ足コンセントグループで1つでいい。
  • アルファ米翌日お弁当が必要な場合は、お勧めです。
  • タオルシャワー用、私の場合大きめのスイミングタオル(速乾性)を使用しています
  • ウェットティッシュ私の場合、赤ちゃん用のおしり拭きが丈夫で気に入っています。
  • 充電器充電器電源がない山小屋もありますので、充電が必要な方は充電器のご持参をお勧めします。
 次回はヨーロッパ各地にあるお勧めの山小屋について具体的に書いてみます。
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 ヨーロッパの山小屋について Part.2はこちら!


 他にも山小屋について書いたお勧めの記事です。
 ヨーロッパの縦走路/ロングトレイルについて
     こんにちは、今回は【チロルの古くから続く羊の移牧文化】についてご紹介します。
     オーストリア・チロル州(北チロル+東チロル)とイタリアの南チロルは、かつてはひとつのチロルでした。その北チロルのエッツ谷の最奥に位置するフェント村と南チロルのシュナールス谷は、今も昔も変わらず牧羊文化で深く繋がっています。
     そして毎年9月の第2週末には、今年も無事に移牧が終わり戻ってこれたことを祝い、南側のイタリアのシュナールス谷では村を挙げてのお祭りが開かれます。

    よく見るとすごい数の羊たちが3000mの峠を越えて下山してきます

  2014年のお祭り時の動画はこちら!

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    クルツラスの村ではビール片手に羊の下山を祝ってお祭りを楽しんでいます

    下山した羊たちは檻の中へ追い込まれます~仕分け

    このお祭りは9月の第2日曜日にクルツラスで、第2土曜日にもう少し谷を下っていくとフェルナーグト湖というきれいな湖がありその湖畔の村でも開催しています。クルツラスからさらにフェルナーグト湖畔までゆっくりと下りのハイキングもお楽しみいただけます!
    フェルナーグト湖

    クルツラスから続く登山道から見下ろすフェルナーグト湖はとても青くてきれいです

    フィナイルホフ

    フェルナーグト湖を見下ろせるフィナイルホフで美味しいランチがお楽しみいただけます!

    フェルナーグト

    フェルナーグトの集落

     そしてこのルートが含まれる山小屋縦走コースのツアーも作りました。北チロル(オーストリア)から南チロル(イタリア)へ国境を越えて、さらに古くからの羊の移牧文化をたどるルートです。

 このコースを取り上げたプランはこちら!

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